ペルソナを設定してからブログ記事を書くべきと言われたけど、どうやって設定すればよいのだろう?
ブログ歴5年以上の副業Webライターが解説していきます。
ブログ全体のコンセプトや、一つひとつの記事構成を考えるときに必要となるのがペルソナです。
ペルソナとは、商品やサービスがターゲットとする顧客像を具体的に設定したものです。
この記事では、ブログ記事におけるペルソナの設定方法を解説していきます。
詳細プロフィールを元にしたペルソナは意味がない
マーケティングで使われるペルソナというと、以下のイメージです。
性別 | 男性 |
年齢 | 31歳 |
出身地・住所 | 佐賀県出身、埼玉県在住 |
世帯構成 | 1人暮らし(独身) |
職業 | メーカーの技術職 |
年収 | 450万円 |
可処分所得 | 10万円 |
学歴 | 地方公立大学卒業 |
趣味・興味 | バドミントン、ランニング、友人との飲み会、彼女とのデート |
いかにも、詳細な人物像がわかるように見えますが、このペルソナがわかると何かよいことがあるでしょうか?
残念ながら、このペルソナはブログにはほとんど役立ちません。
ブログ記事でペルソナが必要な理由
ペルソナがないと絶対に記事を書けないわけではありませんが、設定した方がよいでしょう。
なぜなら、ペルソナを設定した方が読者の悩みをより具体化できるので、記事にもより具体的な深い解決策を書けるようになるからです。
たとえば、単に「転職したい人」をターゲットに記事を書いても、誰にでも当てはまるような一般的なことしか書けません
ところが、「大企業のぬるい感じに不安を覚えて、ベンチャー企業への転職をしようか迷っている人」という感じで、ターゲットをより具体化できれば、その人に向けた深い記事を書けます。
先ほど紹介したプロフィールのようなペルソナには意味はありませんが、ペルソナを適切に設定すること自体はよい記事を書く上で必要なことなのです。
ブログ記事でペルソナを設定する3つのステップ
ブログ記事でペルソナを設定する場合は、以下の手順で考えていきます。
- キーワードを決める
- キーワードの背景にある検索意図を考える
- 検索意図をさらに深掘りする
キーワードを決める
ブログ記事の場合、プロフィールからペルソナを考えるのではなく、キーワードを起点にして考えていきます。
たとえば、「転職 怖い」というキーワードがあるとします。
「転職 怖い」と検索する人に、年齢や性別、趣味や出身地の違いはあるでしょうか?
残念ながら、ほとんど関係ないでしょう。
一方で、「転職 怖い」と検索する人には、別の共通項(ペルソナ)がありそうです。
キーワードの背景にある検索意図を考える
狙うキーワードを決めたら、検索意図を考えます。
「転職 怖い」と検索しそうな人は、以下のような特徴が考えられます。
- 今まで転職をしたことがない
- 今の会社の待遇がよくて、転職した後に待遇を落としくたくない
- 転職をした先がブラック企業であることを心配している
こうやって整理してみると、身近な人でこのような考えを思っている人が浮かんでくるかもしれません。
その人こそが、仮想ペルソナになるのです。
検索意図をさらに深掘りする【4つのツール】
なんとなくペルソナはわかるものの、まだ粗いのでさらに深掘りして具体化していきます。
深掘りをするときに役立つツールは、以下4つです。
- Googleの検索結果
- Yahoo!知恵袋
- 再検索キーワード
なお、検索意図を深掘りする方法関しては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
ここでは簡単に紹介していきます。
Googleの検索結果
Googleの検索結果は、Googleが考えるペルソナを明らかにする上で役立ちます。
Googleの検索結果でどうやってペルソナがわかるの?
検索結果を見ることで、Googleが考えているペルソナを理解できるようになります。
実際に、「転職 怖い」とGoogleの検索窓に打ち込むと、以下のような検索結果が出てきます。(2022年5月現在)
- 広告枠で出てくる「職業診断テスト」
- 一歩踏み出す勇気を解説した記事
- 前向きにチャレンジする方法
つまり、Google的には、「転職 怖い」という人は、怖いと思いながらも心の中では「勇気を出してチャレンジしたいと思っている人」をペルソナだと考えていることがわかります。
Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋には、悩みを自分1人で解決できずにいる人が多数の質問をあげています。
ここで「転職 怖い」と打ち込んでみます。
すると、15,000件以上の質問がヒットします。(2022年5月現在)
質問を見ていると、以下のようなこともわかってきます。
- 新しい仕事を覚えるのが怖い
- 配偶者の転勤に伴って転職したいけど、新しい職場で仕事ができないと悪口を言われないか心配している
他にも調べていくと多数の「転職が怖い理由」が出ていきます。
特に2番目の人くらい情報があると、ペルソナを具体化できることがわかります。
ツイッターは、生の感情がたくさんつぶやかれていて、ペルソナを設定するのに役立つSNSです。
基本的なやり方は、Yahoo!知恵袋と同じで、ツイッターの検索窓に「転職 怖い」と打ち込みます。
たとえば、以下のような趣旨を書いたツイートが見つかります。
- 一度精神を病んだことがあるので、転職するのが怖い
- 転職後の初出勤が怖い
再検索キーワードツール
再検索キーワードとは、ある人が何かの言葉を検索した後に検索する別の関連キーワードのことです。
SEOの専門家である柏崎氏が開発した再検索キーワードツールを使うと、「転職 怖い」というキーワードの後に、どのようなキーワードが検索されているかがわかります。
実際に検索すると、以下の検索ワードがよく検索されているとの結果が出ました。(2022年5月現在)
- 30代 転職 怖い
- 転職 怖い 人間関係
- トントン拍子 転職 怖い
- 転職 決まった 怖い
この結果を見ると、30代の(おそらく初めての)転職で怖さを感じている人、転職面接がスムーズに進んでしまい逆に怖がっている人がわかります。
このようにキーワードを起点とすることで、ペルソナに関するさまざまな情報を入手できることがわかります。
再検索キーワードツール⇒ https://www.tsuyoshikashiwazaki.com/kw/
※パスワードは、柏崎氏のツイッタータイムラインで公開されています。
ペルソナ候補の絞り込み
キーワードをベースにペルソナ候補を抽出できたら、ペルソナを絞り込みます。
「転職 怖い」から考えられるペルソナは、以下のとおりでした。
- 新しい仕事を覚えるのが怖い人
- 配偶者の転勤に伴って転職したいけど、新しい職場で仕事ができないと悪口を言われないか心配している人
- 一度精神を病んだことがあるので、転職するのが怖い人
- 転職後の初出勤が怖い人
- 転職先の仕事が自分の適正に合っているか不安な人
- 転職は怖いけど、勇気を持って一歩を踏み出したい人
- 30代で初めて転職するのが怖い人
- 転職面接がスムーズに進んでしまい逆に怖い人
たとえば、最後の「転職面接がスムーズに進んでしまい逆に怖い人」をペルソナとして記事を作成すると決めてしまいましょう。
絞り込んだペルソナに向けての記事作成
ペルソナを特定できたら、記事を作成できるようになります。
今回のケースでは、「転職面接がスムーズに進んでしまい逆に怖い人」に対して、ブログ記事の中で解決策(=安心材料)を出してあげることを考えてみます。
たとえば、以下のようなブログ記事構成が考えられるでしょう。
- トントン拍子に行くと、裏があるかもしれないと思ってむしろ怖いですよね?と読者の気持ちに寄り添う
- トントン拍子に行く3つの理由
- トントン拍子に行く人は少なくない(ツイッターや知恵袋などの口コミ事例)
- トントン拍子で転職した人の成功事例・失敗事例(残念ながら成功事例ばかりではない)
- 失敗したとわかればもう一度転職すればよい(ツイッターや知恵袋などの口コミ事例)
- 失敗したときのことを考えて転職サイト・エージェントは複数の選択肢を!
※あくまで一例なので、これで検索上位に表示されたり、収益をあげたりすることは保証できません。
なお、キーワード設定以降のブログ記事の構成方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
ペルソナに関してよくある質問
まとめ
以上、ブログ記事でペルソナを設定する手順について解説しました。
ブログ記事のペルソナに、詳細プロフィールは不要です。
ブログ記事でペルソナを設定するためには、キーワードとそのキーワードの検索意図から考えるのが有効です。
さらにYahoo!知恵袋やツイッター、再検索キーワードなどを使って検索意図を深掘りすると、ペルソナをより具体化できます。
ペルソナが明確になれば、記事構成もスムーズにできるようになりますよ!